DXとは？
DXは、高度なデジタルテクノロジーを適用することにより、人々の生活をより良い生活に変えることを目的としています。
「DX（デジタルトランスフォーメーション）」は、2004年にウメオ大学（スウェーデン）のエリック・ストーターマン教授が提案したコンセプトです。定義は異なりますが、経済貿易産業省のDXレポートでは次のように定義されています。
企業が外部エコシステム（顧客、市場）の破壊的な変化に対応しつつ、内部エコシステム（組織、文化、従業員）の変革を牽引しながら、第３のプラットフォーム（クラウド、モビリティ、ビッグデータ／アナリティクス、ソーシャル技術）を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネス・モデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること
経済貿易産業省DXレポート
つまり、言い換えれば、「内部エコシステム（組織、文化、従業員）の変革」「ITを使用した顧客体験の変革」という2つのことがDXを前進させるために必要になります。
DXの定義におけるRPAの役割は、内部エコシステムの「変革」に貢献することです。
DXによる効果
DXを導入することの効果は、従業員だけでなく、会社の収益を改善し、会社に新しい価値を生み出すためにも広範囲に及びます。
経済産業省発行の「デジタルトランスフォーメーションへの挑戦の評価」に掲載されたDX推進企業アンケートの結果によると、DXには以下の5つのメリットがあります。
DXによって得られるメリット
- ● 顧客からのロイヤリティ、顧客維持率の向上
- ● 生産性向上
- ● コスト削減
- ● 利益向上
- ● 新しい製品やサービスによる売り上げ
DXとRPAの違い
DXとRPAはイコールではありませんが、深い関係性があります。
要するに、RPAはDXの目標を達成するための手段であり、DXに貢献する可能性のあるシステムです。
DXの目的は、最新のICT技術（情報通信技術）を使用して私たちの生活を変えることです。 RPAは、ボットとAIを使用して既存のタスクを自動化する高度なツールです。
RPAの導入により運用効率が向上した場合、組織はDXの実現に向けた一歩を踏み出したことを意味します。
ただし、RPAの導入は、必ずしもDXが達成されることを意味するわけではありません。 RPAはDXの1つの方法にすぎないため、DXのシナリオを詳細に事前に描画する必要があります。
DXの進め方（3つのフェーズ）
どのようにDXを進めていくのがベストなのでしょうか。
DX（デジタルトランスフォーメーション）の3つのフェーズ
第1フェーズ：IT利用による業務プロセスの変化
このフェーズでは、紙や伝票の受け渡しや伝言で成り立っていた仕事のワークフローを情報システムに置き換えることで、ビジネスプロセスの標準化と効率化を現場に徹底させます。
第2フェーズ：ITによる業務の置き換え
このフェーズでは、第1フェーズで徹底した業務プロセスをITをりようしてによって自動化させます。
第3フェーズ：業務がITへ、ITが業務へとシームレスに変換される状態
このフェーズでは、すべてのビジネスプロセスがデジタル化され、データを収集し、そのデータを解析することによって、現時点でのソリューションを最適化し、ビジネスプロセスを更新し、ITと業務の現場が常に最適な状態を維持します。
RPAでの操作の自動化は、第2フェーズと見なされますが、その導入過程で業務プロセスの見直しを行う中で、第1フェーズにも影響を与えます。
OCRとRPAを組み合わせて、紙や伝票の受け渡しで行っていた業務を自動化するという事例は、第1フェーズと第2フェーズを一気に行っている例です。
RPAによって ビジネスプロセスを自動化することで達成できるのは第2フェーズまでです。
RPAはDXの足がかりとしての役割はありますが、「RPAを導入したので、DXです」と言うのは間違った考えです。 RPAの導入後のことを見据えることが大切です。
DXという枠組みの中でのRPAの役割
ビジネスプロセスの変革中、現場の営業担当者はITを使用してビジネスプロセスを改善します。したがって、コンピュータツールは、高度なコンピュータ知識を必要とせずに簡単に使用できます。したがって、プログラミングの知識がなくてもロボットの開発を容易にするRPAエンジンを導入することで、DXをより効率的に推進できます。特に、RPAツールはDXの駆動において3つの役割を果たします。
第1の役割：ビジネスの自動化による生産性の向上
営業デスク、経理、人事、およびRPAを使用した一般的なタスクなどのバックオフィスタスクを自動化することにより、人件費などのコストを削減できます。ビジネス自動化によって解き放たれたリソースを、より生産的で価値の高い作業に再配分することで、生産性を向上させることができます。
第2の役割：企業全体のIT文化の改善
RPAツールを使用して運用を改善するには、現場の営業担当者はRPAによって自動化できるタスクと不可能なタスクを区別する必要があります。このような区別を繰り返すことで、システムに割り当てられた作業と人が行った作業を適切に評価し、最適な作業を設計することができます。したがって、新しいシステムを導入する場合、サイトの観点からビジネスデザインを統合し、ビジネスの自動化と効率の観点からより効率的なシステムを作成することができます。
第3の役割：業務に対して課題意識を持つ文化醸成
RPAを実施する際には、RPAの対象となるビジネスの選択やその組織の作業プロセスなど、業務全体を見直していくことが必要です。RPAを導入する業務担当者が常に業務を見直していくことで、作業管理者は日常業務の改善を認識します。日々のビジネスの改善を組織文化として認識することで、一時的または暫定的なブームで終わらせることなく、ビジネスの改善を推進し続けることができます。
DX推進におけるRPAの可能性
ビジネスプロセスの変革を推進するにつれ、プロセスマイニングやAI-OCRなどの新しいITツールを使用するようになりますが、これらは現場の営業担当者が常に利用できるとは限りません。したがって、プログラミングの知識がなくても使用できるRPAツールを積極的に使用することで、現場の営業スタッフのITを活用してビジネスを改善することができます。また、「ロボットが作業を自動化できる」という結果が出ており、現場の担当者は「自分の手で作業を改善できる」と実感できます。この気持ちで、他の活動を自動化する能力などの意識を持ち、将来的には、日々の活動の向上や組織文化への意識の高まりにつながります。したがって、RPAはDXの推進において非常に重要な役割を果たしていると言えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか？
今回はDX（デジタルトランスフォーメーション）とRPAの関係性について、まとめさせていただきました。
少子高齢化により労働力が減少し続ける日本では、労働生産性の向上や人材不足の解消に向けたツールとして、RPAの必要性が高まることが予想されます。採用を検討している会社を担当している場合は、社内で自動化できるタスクを特定することから始めてみませんか？
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